暑中お見舞い申し上げます。
酷暑が続いていますね。子供の夏の自由研究を手伝って熱中症について調べました。
なかなか上手くまとまりましたので、このブログでも紹介させてもらいます。
熱中症とは
高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもって、様々な症状を発症した状態を指します。
体温上昇、発汗停止とともに倦怠感・けいれん・精神錯乱・昏睡などを起こし、生命の危険をともなうこともあります。
熱中症死亡数の年次推移
地球温暖化の影響によりここ100年で平均気温が約1.3度上昇していて、とくに1990年代以降は高温となる年が頻出しています。
それとともに熱中症による死亡者数も激増していることがわかりました。(下図1)
熱中症発症のメカニズム
人は運動や仕事などで体を動かすと、体内で熱が作られて体温が上昇します。体温が上がった時は、汗をかくこと(気化熱)や、体の表面から空気中に熱を逃がすこと(熱放散)によって、体温を36℃から37℃くらいに調節しています。
しかし、気温や湿度が高い環境で激しい運動を行うと、体内で作られた熱をうまく外に逃がすことができず、体がどんどん熱くなり、大量の汗をかいて体の水分や塩分が減っていきます。
この状態が続くと汗がかけなくなり、体の中に熱がたまって体温がさらに上昇します。
脳を含む重要な臓器は、体温が高くなりすぎると機能しにくくなります。また、体から水分が減少すると、各所に十分に血液がいきわたらないため、筋肉がこむら返りを起こしたり、意識を失ったり、肝臓や腎臓の機能が低下したりするわけです。(下図2)
熱中症を疑う代表的な症状
炎天下での運動や高温な室内での作業中に、以下のような症状がみられた時は熱中症を疑いましょう。
①めまいや立ちくらみ、顔のほてり
②筋肉痛や筋肉のけいれん「こむら返り」
③体のだるさや吐き気、頭痛
④汗のかきかたがおかしい(大量の汗、または逆に、全く汗が出ない)
⑤体温が高い、皮膚の乾燥
熱中症を疑った時の対処法
①涼しい場所に移動する
日陰やクーラーの効いた部屋に移動しましょう
②衣服をゆるめ、体を冷やす
脱げる服は脱ぎ、濡れタオルなどで体を濡らし、扇風機などの風にあたりましょう。
また、首筋やわき、足の付け根の太い血管が通っている部分を、氷枕などで冷やすと効果的です
③水分や塩分を補給する
冷たい水やスポーツドリンク、塩飴などをとりましょう
④医療機関への搬送
意識が無くなったり、自力で動けない・水分がとれないような状態の人を見たら、迷わず救急車を呼びましょう。
(下図3)
熱中症にならないための予防策
<熱くなる前からできること>
・暑熱順化
暑熱順化とは、体が暑さになれることです。これができていない状態で、急に暑さにさらされると、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まります。積極的に運動や入浴をして、汗をかき、体を暑さに慣れさせましょう。
・食事と睡眠で丈夫な体作り
バランスの良い食事を3食きっちり取り、睡眠環境を整えて十分な睡眠をとりましょう。体調を管理して、熱中症にかかりにくい体作りをすることが大切です。
<暑くなってからしたほうがいいこと>
・暑さに関する情報の確認
天気予報や熱中症情報を確認して、帽子や冷却グッズを持参するなど暑さ対策を考えておこう
・水分と塩分の補給
のどが渇いていなくても小まめに水分をとろう。運動をして汗をたくさんかいた後は、塩分の補給も忘れず行おう
・衣服の工夫
綿や麻などの通気性のよい素材や、吸水性や速乾性に優れた素材がおすすめです。
ゆったりとした服装にすると、衣装の中や体の表面に風が通って、涼しく感じられます。
マスクも、周りに人がいない場所や運動時は外しましょう
・熱や日差しから体を守る
帽子や日傘を用いて、できるだけ直射日光を浴びないようにしましょう。
首にタオルを巻くのも効果的です。濡らせば冷やすこともできて一石二鳥です。
・室内を快適に保つ
クーラーや除湿器をうまく使いましょう。扇風機で室内の風を回したり、すだれやシェードで日差しを遮ることも効果的です。
夏はまだまだ続きますし、残念ながら来年以降も今年と変わらない酷暑となるでしょう。
熱中症の仕組みと対策をよく理解し、新しい時代の夏に順応しましょう。