多田消化器内視鏡クリニック

2019.08.04

照れくさいですが・・・  Doctors File版「院長紹介」
Doctors Fileさんの取材を受け、院長の紹介を詳しく記事にして頂きました。
照れくさくなるぐらい良く書き過ぎなところもありますが、僕の思いのたけを詰め込んだ素敵な内容となっています。一度ご覧ください。


多田 和弘 院長の独自取材記事
多田消化器内視鏡クリニック

泉北高速鉄道線の栂・美木多駅にある大型ショッピングモール「トナリエ」の1階にあるクリニックモール。その一角に2019年5月7日にオープンしたのが「多田消化器内視鏡クリニック」だ。院長の多田和弘先生は、総合病院では実現できなかった理想を現実に変えたいと、培ってきた内視鏡検査技術や臨床経験をフルに生かし、一般内科診療とともに、内視鏡検査にも注力するクリニックを開業した。誰もが通いやすいクリニックになるよう、院内には男女別の更衣室やインターネット環境の整った前処置室、その人に合ったカメラを選べるように内視鏡を複数台用意するなど、患者への配慮が細部にまで感じられる。そんな多田院長に、内視鏡検査への思い、新たな現場での意気込みなどを聞いてみた。

(取材日2019年6月3日)

☆内視鏡検査の技術を生かし、地域を支えていく
消化器内科の医師になられたきっかけを教えてください。
父は光明池で小児科を開業していました。クリニックで優しく子どもたちに接する父を見て、自然と「自分も父のような医師になろう」と決めていました。ある時、大学の臨床実習で奈良へ行くことになったのですが、その研修先が消化器内科でした。山奥の診療所ですので、患者さんの多くはお年寄りです。しかし、その先生が患者さんと接している後ろ姿は、私が子どもの頃によく見た父の姿にぴったりと重なって見えたのです。また、その先生が内視鏡を駆使して診療されており、技術者としての側面にも魅力を感じました。患者さんに信頼され、その地域の健康を見守っていく町のかかりつけ医が私の夢でしたので、小児科の医師よりも長い時間を患者さんと一緒に歩んでいけるという点で、消化器内科の医師をめざすことにしたのです。

内視鏡の技術を磨くために、東京の病院に行かれたそうですね。
ええ。ある講演会に参加した時に、内視鏡による早期がんの手術を見て衝撃を受け、自ら志願して東京の国立がん研究センターに行きました。それまで、総合病院の外来診療において胃痛や腹痛などの患者さんの診療に追われ、胃がんや大腸がんに関する勉強時間が取れないでいました。しかし、国立がん研究センターは文字通り“がん”に特化した病院です。周りにいるのは、がんに関するスペシャリストばかりですから、とても密度の濃い3年間が過ごせましたね。情熱にあふれた仲間に多くの刺激を受けながら、たくさんの症例に触れ、胃がんに関する研究や内視鏡の技術を磨くことができました。その経験があったからこそ、開業する自信がついたと思います。

クリニックの特徴を教えてください。
血圧、糖尿病などのコントロールといった一般内科診療に関して、なんでも相談できる地域のかかりつけ医という側面と、深い知識と経験に基づき内視鏡の検査が気軽に行えるという側面の両方を兼ね備えていることが当院の特徴です。患者さんが当クリニックに来ると安心できるという場所にしていきたいので、どちらに特化しているということもありません。国立がん研究センターで学んできたことは私の財産ですから、まずはその経験を地域の方に還元していきたい。そして、日々のケアにも重点を置きながら、患者さんをトータルで守っていきたいと思っています。縁あって当院にお越しくださった自分の患者さんが、どんな病気であれ、急に倒れたとなったら心配ですし、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。そういった患者さんを一人でも出さないことが地域のかかりつけ医としての役割だと思っています。

クリニックならではのハードルを下げた取り組みを実践
クリニックを造る上でこだわった点を教えてください。
内視鏡検査では麻酔で眠ることもありますので、患者さんにしっかりと目が行き届くよう、医師と看護師の目線と動線にはこだわりました。更衣室は男女別にし、鍵付きのロッカーをご用意しています。前処置室にはコンセントやインターネット環境を整え、患者さんが準備時間を有効に使えるように配慮しました。また、胃カメラは経鼻と経口の2種類、大腸カメラは細径のものにし、CO2送気装置、静脈麻酔など、先進の機器と設備をそろえ、患者さんの苦痛を和らげることを第一に、お一人お一人に適した処置を行うよう心がけています。

大腸カメラ検査では、レディースデーを設けているそうですね。
消化器内科の学会で問題になっていることの1つに、大腸カメラ検査に大きな抵抗感を抱く女性が多いことが取り上げられています。「検査着で院内を移動すること」や「何度もトイレに行くこと」を「他者に見られるのは気恥ずかしい」という気持ちに配慮して、毎週火曜を女性だけの検査日にしました。がんの罹患率は増加しており、その中でも女性のがん死亡原因1位は大腸がんです。このことは消化器内科の医師として問題に感じており、そのハードルを少しでも下げたいと思って実行した取り組みの1つです。患者さんのニーズに対し即実践できることは、クリニックの強みですね。「内視鏡検査を受けるのなら、多田先生のところに行ったら女性だけの日があったよ」などとご紹介いただけるように頑張っていきたいですね。

ほかに、便秘の治療にも注力しているそうですね。
便秘は以前勤めていた大きな総合病院ではコントロールが難しく、実際に断ったこともあり、お力になれないことを残念に思っていました。しかし、ご相談いただくことは多く、注力したい分野でもありました。女性の方だけでなく男性の方も通院されており、先日などは小児科の先生からご相談をお受けしたほど低年齢化も問題視されています。また、下痢や過敏性腸症候群のお悩みもよく寄せられますね。近年いくつかの新薬が発売され選択肢が増えたので、今まで効果を実感できなかった方にも、再度治療を見直していただく良い時期かと思います。ご自身に合った治療法を見つけるまで時間がかかることもありますが、じっくりと一緒に向き合っていきたいと思っています。

治療には明確なイメージを持ってもらうことが重要
患者さんに接する際に気を付けていることは何ですか?
はっきり答えを言うことです。患者さんは症状に対する答えを求めて来ています。その原因が判明していなくても、今の状態について明確に返答することが必要です。「どうせわからないだろう」と勝手な判断をすることは、患者さんと向き合っているとはいえません。例えば、お出しする薬の1つに対して、「検査した結果から、こういう病気だと思うからこの薬を飲んでください」とお伝えして、「この薬をこの期間試して効かなければ、違う薬を次に試しましょう」と今後のプランまで提示し、ご自身の治療に対するイメージを持っていただけるようにお話ししています。もし症状が改善しなくても「次がある」ことで、不安を持ち帰らずに済み、安心感につながると思うのです。

休日はどのように過ごされていますか?
子どもたちと過ごすことが多いですね。特別なことをするのではなく、学校の宿題を見てあげたり、遊んだり。夏休みなど、まとめてお休みがある時にはキャンプに出かけます。学生の頃には寝袋を積んで、友人と北海道一周したこともあるんですよ。子どもたちも楽しみにしているようですね。また、日頃の運動不足解消に、ちょっと前にテニススクールに通い始めました。学生の頃はずっと陸上部でテニスとは縁がなかったのですが、始めてみると爽快感があって楽しいですね。

最後に、読者へメッセージをお願いします。
まだまだ受診率が低いのが内視鏡検査の現状です。そんな状況を変えたいと当クリニックでは、通いやすさを追求しています。依頼があればその日の内に検査できるようにし、柔軟な対応と検査そのもののスピードにもこだわっています。それが身近にあるクリニックに求められているものだと思うからです。また、当クリニックがショッピングモールの中にあるという利便性を最大限に生かしていただきたいと思っています。例えば、予約優先でご案内していますので、待ち時間をお買い物などで有効的に使えますし、施設内には調剤薬局さんもあります。自治体などの健康診断の案内は、ご自分の健康について見つめていただく絶好の機会です。内視鏡検査以外でも、町のかかりつけ医として、気にかかることがあれば、ご相談いただければと思います。